今、金融業界や高額商品を扱う業界では、富裕層の顧客作りのために必死の営業展開を繰り広げている。
デフレを脱却した日本経済は、ゼロ金利の緩和から高金利時代へ、次第に軸足を移して始めている。高金利時代は、お金を持っている人のもとに、ますますお金が集まる時代だからだ。
ゴーゴルの青山直樹社長は、この富裕層にターゲットを絞った事業を以前から考えていた。彼は、学校を出ると電通でテレビ媒体の営業を10年あまりしていたが、その時期から富裕層を取り込む媒体作りを模索した。
彼が取り組んだのは、ゴルフのフリーペーパー作りだった。中高年の富裕層をターゲットに、年に数回発刊するゴルフ専門のフリーペーパーによって、富裕層好みの選りすぐりの情報を提供しながら取り込みを図ろうとする戦略だ。
04年12月に会社を立ち上げ、05年3月から都心のゴルフ練習場や高級ゴルフ場で、フリーペーパー「Go!Gol.」の配布をスタートさせた。内容はゴルフに限らず、食、ファッション、住まい、資産運用と、富裕層が関心をもちそうなジャンルを網羅している。
この青山社長の狙いは上手く当たっている。フリーペーパーからのイメージは、タブロイドの新聞をイメージする人が多いかと思うが、「Go! Gol.」は高級雑誌仕立てになっていて、中高年のゴルフ好きには手にとって読みたくなる装丁で作られている。
このところの好景気を追い風にスポンサーも順調について、事前の予測以上の売上げを実現している。ゴルフ関連用品の販売から、アクセサリー、健康食品、酒類など、事業展開も急拡大の域に入った。
富裕層への営業展開については、起業家もよくその効率性と収益の高さを口にするが、実際の成功例はあまり聞くことがなかった。ゴルフと情報誌とは、よく考えたものと感心させられる。
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