不動産業というと男の世界といったイメージが強いが、冨樫美穂さんは24歳の若さで賃貸住宅の斡旋を行う街の不動産屋をスタートさせ、現在は東京・渋谷の本社と3支店で営業を行っている。
冨樫さんがビジネスに興味をもったのは、学生のころバイトをしていた携帯電話の販売代理店でのこと。96年当時、携帯電話が市場に出始め、NTTドコモの代理店が4次卸、5次卸にも連なっていた時代だった。
そこでは、携帯電話の普及がまだ数十万台に近い状態で、規制緩和によって一気にケイタイが国民に知れ渡る時期と重なる。冨樫さんがバイトをしていた店も売れに売れていた。
そこで店長に、バイトの時給の賃上げ交渉を行うが、あっけなく断られてしまう。21歳の冨樫さんは、お店の利益は経営者の懐に入ることを知り、バイトでは幾ら売れても儲からないことを知る。
思い立ったら即実行の彼女は、友達と二人で携帯電話の代理店を始めてしまう。当初は個人事業だったが、利益が順調に伸びた翌年には有限会社にした。
その後は、早々に携帯販売の代理店に見切りをつけ、不動産の世界に足を踏み入れたのだ。彼女は、自分自身が引越しの多い生活なので、女性の視点を取り入れた営業をすることで、この男の世界に新しい風を吹き込むことができると確信していた。
設立から6年で、売上高は2億4千万円の不動産会社は想像以上に順調に成長している。冨樫さんは次の展開として、部屋のコンサルティングを業務に加えてたり、賃貸から売買へ業務の幅を広げるつもりでいる。
若い人も、バイトの目、派遣社員の目、パートの目で世の中を見ると、まだまだ起業の目はそこここに転がっている。
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