ミツトヨによる不正輸出事件が、社長、副会長の逮捕にまで発展して大事件になっているが、わたしが興味をもつのは「会社ぐるみ」という事実。
実は、ミツトヨがまだ三豊製作所と云っていた昔に時々伺わせてもらったが、この会社はモノづくり日本の土台を支えるような戦前からの精密測定器メーカーで、上場こそしてないがひた向きにコツコツと製品作りをしてきた最も日本的な会社だった。
ニューヨークでの9.11や北朝鮮のミサイル発射、中東でのイラク内紛やアラブ諸国とイスラエルとの戦争などを考えると、ミツトヨの不正輸出は大変なことをしていたわけだが、実際に不正輸出が行われた当時は、大変なことをしていた認識が疑わしいようだ。
それよりも、バブル崩壊後の業績悪化の中で、少しでも会社の利益につながることなら何でもする風潮がミツトヨだけでなく、日本の企業全体に広がっていた時代だ。
ここで悪に手を染めるか、手を引くかの違いは、役員や社員の中に悪を認識する人がいるか、いないかの問題。起業を目指すような人は、個人の行動がベースなので、このような時には手を引くタイプが多い。
逆に社内で出世を考えるタイプの人は、このような時はイケイケどんどんに走る連中だ。心理学者がよく口にする、日本人の集団催眠ってやつで、全員が一方方向の考え方に固まってしまう現象をいう。
社内に起業を目指す人がいる会社は健全な会社。全員が会社ともたれ合う会社は、会社ぐるみで善悪関係なしに突っ走る危険な会社という事ができないだろうか。
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