サッカー日本代表に新しく就任したイビチャ・オシム監督の就任会見でのこと。彼はマスコミの質問に対して、逆に質問を返してよこした。
「日本社会には、自分で判断して行動する習慣がありますか?」
聞きようによっては大変失礼な質問に聞こえるが、跡を絶たない振込みサギ被害や子どもによる凶悪犯罪、相次ぐ企業犯罪など確かにわが国社会には、自分で判断して行動する習慣がないとしか思えない事件が相次いでいる。
オシム監督は、W杯サッカーに見られるように、日本選手のプレーは監督の顔色を伺いながらのプレーばかりで、勝つために自分で考えることのできない選手は使わないことを宣言したかったのだと思う。
ただ、サッカー選手ばかりではなく、日本全体に考えて判断するシーンが、この10年以上の間にとても少なくなったような気がする。
テレビ番組に流れるすべて教えますのテロップやインターネット検索の登場は、何も考えなくても答えが直ぐ出てくる利便性を高めている。
その一方で、希望ばかりが多いのに、その実現のために何も考えることのできない人々を続々と生み出す結果にもなっている。
起業を考える立場からいうと、人のことは人のこととして、他の人が考えないなか起業家だけは深く考えて意思決定を行うことによって、起業を軌道に乗せることがとても容易になっているような気がする。
世界第二位の経済大国のベールに隠れて、日本の現実がそこに住むものにはとても見づらくなっているが、冷静に見回すと便利にどっぷり浸かっている日本での起業は、米国や中国、韓国などと比べて意外と楽なのかもしれない。
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