起業相談で最も多い質問は、「今、儲かる起業って何?」って種類の質問。
起業の場合は、本人の考え方や能力、やる気などによって、起業ならなんでもできるわけではないし、起業を行う地域によっても、流行るものと流行らないものとがあるので、儲かる起業の質問には丁重に断っているが、「今、最も儲けることのできる業種」ってことなら答えることができる。
ヒントはトヨタ自動車。世界第二位の自動車メーカーになったトヨタは、世界中で大きな利益を上げているが、本社所在地の日本では大変な苦戦を強いられている。ガソリンの値上がりで、カーオーナーは軽自動車やコンパックカーへ買い替えを行っているし、一台の車の保有期間あるいは車齢の長期化もあって、05年度の販売数は前年度比で1.2%のマイナスだった。
そんな環境の中でも、05年度は史上最高の利益を上げている。その秘密は、昨年後半から輸出環境がかってなく良好なため、輸出が利益の大半を稼ぎだしているからだ。
日銀が算出した「実質実効為替レート」によると、73年3月を100pとしたレートで、06年7月は103.0p。33年前の輸出環境とほぼ同じ指数なのだ。
金融不況で日本売りの嵐が吹き荒れた98年8月でさえ110.1pだから、現在がいかに輸出企業に利益をもたらしているか理解してもらえると思う。
これは、このところの円ドル相場は115~117円で推移して円高ドル安になっているが、ドル以外のユーロ、豪ドル、アジア通貨などとは円安が進んでいるからだ。加えて、超低金利や長く続いたデフレによって、わが国物価が下がり続いた事が大きい。
その結果、輸出業者には思いもよらない為替差益がもたらされている。当然のことではあるが輸入業者は厳しい環境になっている。
これから製品輸出に取り掛かろうという人は時間的に難しいかも知れないが、輸出ビジネスの準備をしてきた人、国内製品を楽に輸出に振り向けることができる人なら、まだ遅くはない。まだ、輸出ビジネスの妙味が公になっていないこのチャンスを見逃す手はないと思う。
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