わたしは、起業のモデルケースを話すとき、よくだす例は米国の投資家カーク・カーコリアンさんだ。最近は、GMの大株主として、仏・ルノーとの提携を仕掛けて話題を呼んだ人物である。
彼は、第二次世界大戦にパイロットとして従軍し、大戦後は飛行機のパイロットで資金を貯めて、最初の起業はその資金で軽飛行機を買って、お客さんをロサンゼルスとラスベガスとの間で送り迎えする商売だった。当然、自分自身が飛行機の操縦を行い、ばくちに勝ったお客さんからはたらふくチップをもらう毎日だった。
飛行機の送迎で金を貯めると、今度はその資金でカジノのホテルを買いはじめた。軽飛行機に乗客を乗せているうちに、次第に儲けているホテル、ダメなホテルが見えてきて、投資のタイミングとしては最高と思えてきたからだ。
ホテル経営の先には映画会社、MGMの買収があった。MGMはラスベガスでホテル経営も行っており、ホテルを通してMGMの経営が手に取るように分かる。しかも、MGMの株価が上がると売却し、下がると買い集める方法で3度も売り買いを重ねている。
MGMで莫大な資産を作ると、カーコリアンは当時の米国3大自動車メーカーの一つ、クライスラーの株を買い集めた。彼にとって未知の世界だった自動車のクライスラーで最初のつまずきを経験する。やはり、カーコリアンと云えども熟知しない世界では、失敗を犯すものだ。
ただ、並みの投資家と違うところは、クライスラーでの失敗を糧に彼は3度の勝負を積み重ね、最後には大変な資産を手に入れる。そして、現在のGMへの投資である。
彼は、決して知らない世界へは投資はしない。クライスラーにしても、手持ちの資産が大きくなりすぎて、彼の投資を受け入れることのできる事業が限られている事情があったからだ。
彼の投資方法は、失敗しない起業の典型である。しかも、投資環境がよくなって人が買い集めると売り放ち、人が売りだすと買い集める典型的な勝ち手法が一貫していて、今日の地位を築いている。
そして、カーク・カーコリアンの何がすごいといって、89歳の現在も現役の投資家としてバリバリ仕事をしていることである。
これから起業を目指している人の中には、まったくの新天地での起業を考えている人が少なくない。ただ、起業の成功のコツは手がかりだ。他の人には知られていない手がかりがあるから起業を始めるのであって、ゼロからの起業は無謀すぎる。
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