最近、オフィスの机の上に寿司やエビフライが無造作に転がっていて、ミニチュアとは分かっていてもあまりに本物に似ているので、普段は会話の少ない職場が寿司ネタで笑いの飛び交うことがよくある。
この寿司のカタチをした差込み型外部メモリーを販売しているのが、河原邦博社長の
ソリッドアライアンスである。他に、アヒルやギター、サンタなどの外部メモリーだけでなく、マウス、キーボードカバー、携帯ストラップなど、約50種類のパソコン周辺機器を販売している。
河原社長は、02年にリソッドアライアンスで起業するまで、外資系のメモリーカード会社に勤めて主に営業の仕事をしていた。この時代に、パソコン周辺機器は価格の競争力でしか勝負にならないことを痛感する。
パソコンショップなどでは、店頭のワゴンに載せられて売られているように、パソコン周辺機器は性能での差別化はもはや難しく、もっぱら安さを売りものにするしかない製品だ。
会社の設立当初、河原社長は、海外製品の輸入販売から始めたが、この時期に世界最小の外部メモリーの販売権を取得している。そして、この販売権を利用しての製品販売戦略を練りに練った。
モノあまりの日本では、製造が簡単なパソコン周辺機器は、外国産の安い製品がいくらでも出回り、しかも売れ筋の製品は直ぐに他社に模倣されることを覚悟しなくてはならない。
そこで河原社長が出した結論は、徹底したデザインと遊び心である。おばけ探知機の携帯ストラップ、ヘルメット型のマウス、目玉おやじのPCカメラ、iPod mini 印籠型専用ケースなど製品ラインナップには、くすぐりを入れた製品がいくらでも出てくる。
それもそのはず、この種の製品は毎月発売していなければお客さんに忘れられるということで、ほとんど毎月新製品を発売しているからだ。
モノあまり時代にモノを売る、販売戦略の典型のような河原社長のスタイルは、現在年商約2億円(05年度)と結構な数字をたたき出している。
起業を目指す人の中には、従来ビジネスと同じ土俵で戦おうとしている人が相も変わらず多いが、河原社長のスタイルは大変参考になると思う。特にデザインは、これからわが国での起業の最大の課題だと考えてもらいたい。
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