ネットショップによる物販では、年間売上1億円が大きな壁で、それを超える専門ショップは数えるほどしかない。
携帯用スクラップの販売をしているストラップヤの樋口敦士さんは、その数少ない1億円プレーヤーで、キャンデー販売サイトの菓房赤い実などを合わせると、昨年は4億円の売り上げを記録している。
その樋口さんの起業時代を追いかけてみたい。彼は、学生時代からの起業家志願で、97年に個人事業として天然石のアクセサリーをネットショップで販売している。開業時は、やはりなかなか売れなく、すっかり惚れこんだ天然石をベースに色んな試みをしたが、翌年にはショップを閉鎖している。
ただ、天然石を使ったストラップの売行きが良かったところから、アクセサリー屋からストラップ屋へと商売替えを行う。同時に、ネットショップの販売から、中国での製造へ、川下から川上へと大きく舵を切った。
また香港では、携帯グッズのショップを中国人事業家と共同で行う。ただ、この中国人事業家とは半年も続かず、意見の対立で袂を別つことになる。
そして、日本に戻って再度携帯ストラップをメインにネットショップを始めたのが99年のことだ。97年から99年の2年間に、取り扱い商品、製造と販売、日本と中国と香港と、可能な限りの試行錯誤を行い、その結果として携帯スクラップのネットショップに行き着いている。
その後は、スクラップ一直線で4億円のショップ運営だ。ネットの世界は、絶えずお客さんに向けて色んな仕掛けをしてないと、クリック一つで他のサイトへ移ってしまう移り気な世界。そこで、単品200円程度から数千円の商品で億単位の金を叩き出すのは至難の業だ。
起業当初は、起業予測と現実とがあまりに違っていて、誰もがその後の対応にオロオロするが、そこで何を見つけ、どう進むかが、その後の事業を決める。起業を目指す人にも、十分覚悟しておいて欲しいポイントだ。
《もしお役に立ちましたら、ワンクリックお願いします》
人気blogランキングへ