飲食店の開業で最近話題になっているのが、04年2月に起業した「スタジオナガレ」である。この会社、設立当初は飲食店の建築設計、店舗開発を行う会社としてスタートしたが、店舗の設計や開発に伴う開店ノウハウを生かして、出店コンサルティングを行うと伴に実際に飲食店を出店してしまった。
これが、06年7月に東京・品川駅港南口に作った「Hareno sorano shita」(晴レノ空ノ下)である。スタジオナガレが企画、設計、運営までの全てを手がける直営店舗の第一号店。
この店舗が評判を呼び、今ではマスコミの露出も飛躍的に多くなった。これまで出店コンサルティングと言うと、飲食店オーナー経験が自前の出店ノウハウを基にコンサルティングするケースがほとんどだったが、設計、開発からスタートしたコンサルティングは珍しい。
また、06年10月には新宿に飲食店開業予定者のための情報発信基地として、「Commercial Design Lab(コマーシャルデザイン・ラボ=通称“コマラボ”)」を開設、店舗の物件情報や厨房・備品業者の情報、店舗設計における商材・資材情報など、飲食店開業に必要なさまざまな書籍・雑誌や資料、商品カタログなどを設置している。
またコマラボには、その場で欲しい情報を直ぐに得ることのできる、コンシェルジュ役の相談専門員を常駐させて対応にあたるなど、すっかり話題のスポットとなった観がある。
スタジオナガレが出店した、「Hareno sorano shita」(晴レノ空ノ下)やコマラボで感じるのは、光を巧みに利用している点。非常に個性の強い店舗であり、都心店ではこのような店舗でなければ話題にならないであろうということ。
また、あくまでも都心バブルと言われている土地が舞台での出店であって、この設計を他の土地に持って行ったら、周囲から浮き上がった設計であることは確かだ。
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