3月一杯でNTTドコモがポケベルサービスを中止したために、沖縄を除くわが国でポケベルサービスを行っているのは、PHS事業のYOZAN一社になってしまった。
携帯電話がこれだけ普及してしまうと、ポケベルは既にその役割を終えてしまったように思うが、実はポケベル需要は少ないなりにまだまだ根強い需要があると言う。
最大の需要は医療関係。携帯電話が発する電波は、医療機器に悪影響を及ばすことはよく知られている。そのために、病院内では携帯の使用は禁止されている。
一方、ポケベルの場合は、受信機能だけを使用して送信機能を使うことがないうえに、その受信機能が発する電波も微々たるもので、ほとんど医療機器に悪影響を及ばす心配はないに等しい。
そのため、医師も看護士も病院内では、誰もがポケベルを所持している。これは病院だけに限らず、製造工場内でもビルの保守管理でも、幼稚園の保護者向けもポケベルによる連絡網を使っているところがある。
そのために、YOZANではポケベルの注文に応じ切れず、今は受付を中断していて、近く再開する予定になっている。
レコード針を製造販売しているナガオカが、最近はライバル企業が存在しない関係で、会社の財務体質がとても良くなった話しを聞いたことがあるが、忘れられた商品が根強い需要に支えられて、そこそこ流通している現象はポケベルにもあるようだ。
中小企業が生き残るすき間産業の一つには、レコード針やポケベルに似た世界である。大手企業が撤退した市場にも、まだまだお客さんがいて、商売が成り立っているから、やり方次第では人から忘れられても、しっかりビジネスを継続できる。
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