円安が進んでいる。今日は、対ドルで119円、対ユーロで161円と、いよいよ大台とされた、120円や162円を間近にした相場展開になっている。
07年3月期の決算では、大企業の多くが軒並み過去最高益を出しているが、利益の大半は為替差益から生まれたもの。自動車、鉄鋼、化学など、輸出関連産業が原動力になったことはご承知の通りだ。
この為替差益から生まれる利益は麻薬のようなもので、ほとんどの企業が営業努力をすることなしに利益が上がるので、企業としてはモラールの低下を招く原因となる。
わが国では、80年代の中盤に今回とは逆の円高が急激に発生、海外製品の輸入業者が濡れ手に粟の為替差益を手にして、その資金が国内で過剰に流通したためにバブルを引き起こしてしまった。
今回は輸出企業が資金を株主配当などに廻しているために、社会の格差拡大の要因になっている。不動産や設備投資に過剰に廻ることがあると、再度バブル発生へと結びつきかねない。
問題は、一方的に進んでいる円安が、米国の経済破綻などによってドル安・円高へと回転が逆に廻り始めたとき、ドルへの信任が薄れて、人が金からモノへ関心がスライドしたときに起るインフレである。
現在の円安から生まれているウカレ気分は吹き飛んでしまって、世の中大混乱になってしまう。これから起業を考えている人は、ゴムの伸びきったような円安に便乗しての利益は考えるべきではない。
為替をあてにした収益は、結局その分を吐き出す仕組みにこの世はなっている。為替などまったく当てにしないで、営業力によって利益を生む仕組みを探して欲しい。
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