連休中のこの時期は、例年なら新聞、テレビは行楽の話しばかりになるのですが、今年は高校野球の特待生制度が話題になっているため、地方のマスコミほどこの話題が大きく取り上げられているようです。
わたしは高校野球がもつ特権意識が好きになれずに、これまでも甲子園での高校野球大会に関心を払ってこなかったのですが、今回の特待生制度には非常に興味をもっています。そのキーワードはブランドです。
全国には、プロ野球はあまり好きでないが、高校野球は熱狂的に好きという人が大勢います。こういう人たちの熱気が、年に1度の夏の甲子園を盛り上げているように思います。
このわが国特有の高校野球というブランドを守ろうとするとき、高野連は特待生制度を認めるわけにはいかないのではないでしょうか。特待生を認めてしまうと、高校野球はサッカーやバスケットボールなど他の高校競技と同じレベルになってしまいます。
多分、高野連の幹部たちにしても、全国の高校、特に私立高校において特待生制度が採用されていることを、知らなかったとは思えません。ただ、プロ野球界で幅を利かせている契約金や食料費といった、優秀選手に対して支払われているお金の流れが公けになって、高校野球のもつ純真なイメージが崩れていったら、熱狂的な高校野球好きが離れていくことは確かです。
イメージを崩さず、高校野球好きをつなぎとめておくには、特待生制度を認めるわけにはいかないと思います。あくまでも、高校野球は他の高校競技とは一線を画した、高校野球でなければならないと思い込むしかないと思います。
このイメージやブランド戦略は、起業にあたって起業家が大切にしなければいけない戦略と同じです。高野連の幹部は、老舗のブランドを背にした大店の店主風ですが、頭の中は意外と現代風マネジメントを駆使した戦略を立てています。多分、コンサルティングが付いているんでしょうけど。
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