総選挙の季節である。90年代までは選挙と云うと、業界団体や商店街上げての選挙運動で、日本国中熱くなったものだが、最近はすっかり熱気もなくなっている。
昔から、「商人と屏風は、曲がらねば立たず」と云って、商人は道理の通らぬことを云う相手にも、自分の気持ちを曲げてでも取り入ると云われていたが、選挙の時だけは日頃のうっ憤晴らしのように正義を掲げて熱気があった。
選挙運動への肩入れが高じて、自分自身が議員になった人も大勢いる。地方議会には、街の布団屋とか不動産屋のおやじさんが議員になっていて、国政選挙ともなると捻じり鉢巻きで頑張った。
今、30日の選挙告示を前にして、業界にも商店街にも総選挙の熱気はない。以前の業界や商店街は、新規に参入する起業家に対して障壁の役割りを果たしていたが、今では会費さえ払ってもらえたら、どうぞどうぞと両手を広げて迎えてくれる(笑)
これは、業界団体や商店街の衰退を意味しているんだろうけど、その後にはどんな組織が商人をまとめようとするのか興味深い。