事業家の自己実現意欲は、事業継続の妨げになると言う話です。宇都宮大大学院の研究チームが実施した優良企業と倒産企業との比較調査では、倒産企業の経営者は自己実現意欲だけが優良企業より鮮明に高いことが分ったということです。
起業家に共通している心理は、他の人より思い上がり強いことであり、自己実現意欲も人一倍強いと思われます。そして、起業が軌道に乗ったある時点において、自己実現意欲を振り捨て、他に目標を切り替えないことには、ライブドアの堀江貴文さんやNOVAの猿渡望さんのような運命をたどることになると言うことです。
これから起業を目指す人向けのブログで、軌道に乗ってからの話は相当気が早いと思われそうですが、今回の宇都宮大学の研究を読んで直ぐ頭に浮かんだのは、わたしのところに来る起業に失敗した人たちのメールです。
立ち上がりから順調に行き過ぎて、イケイケどんどんでWEB製作の受注を受けすぎて、最後は逃げ出した青年、人気の飲食店を作り上げマスコミにも取り上げられるまでになったが、一人自分の夢ばかり追っていたら社員からバイトまで30人近い従業員の半数以上に辞められた社長、エステサロンを立ち上げて必死に頑張ったのはいいが、病気になってしまい結局3店のチェーン店を手放した女性社長。
多分、このような話は幾らでもあるような気がします。自己実現意欲がある程度カタチになったら、その後は次の段階に向けて方向転換をしないと、いつまでも初心ばかりを追い続けていては、事業は運に見放されてしまうようです。
今日お会いした経営者は、10数年で売上げ30億円の企業を作られました。そのKさんの言葉、「昔は、会社の資金繰りが厳しくて、毎日お金が儲かる夢ばかりみていたけど、今はお金より、素直に人のためとか、社会に役立てばって思える」。地位が人間を作るというけれど、人間はどんどん大きくなっていくようです。
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