フランチャイズの優劣を競うようなコメダとドトール

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　3月20日の日本経済新聞朝刊のことです。13面に8行の短信記事で、日本の買収ファンド大手のアドバンテッジパートナーズが、中部地区で300店以上の喫茶店チェーンを展開するコメダを買収する話が載っていました。みなさん、元気にお過ごしですか。

　最近は、コンビニや飲食店など不振が続くフランチャイズチェーンの話ばかりが話題になりますが、コメダは事業失敗の少ないフランチャイズとして有名な喫茶店です。元来は、名古屋市内に集中して出店するドミナント方式で加盟店を増やしていましたが、他の地域での出店希望者が多いために、加盟金を増額して関西や関東でも出店する加盟店が現れるほどです。

　フランチャイズは加盟店募集の派手な広告をしている本部ばかりが注目されますが、本当に加盟店に利益をもたらしている本部は広告を打ちません。現在加盟店が大きな利益を上げている、たこ焼きチェーンの「築地銀だこ」やB-R サーティワン　アイスクリームなどは、既存の加盟店が新たな出店計画地域での出店権を買ってしまうために、新規の加盟店が入り込む余地はほとんどありません。

　コメダも一般にはほとんど知られることのないフランチャイズでしたが、今回創業者の加藤太郎さんが経営から手を引くということで、コメダの将来がどうなるのか興味があります。午前中は、コメダ方式と呼ばれるコーヒーにパンやゆで卵が付くシステムがどうなるのか、午後は豆菓子が付いたサービスはどうなるのか。

　一方では、ドトールコーヒーのように機能優先の喫茶店もフランチャイズです。ドトールもパスタ店の日本レストランシステムと合併してしまいました。見方を変えますと、改革派とも言えるドトールに対して、旧態派のコメダ。どちらも装いも新たに、出店競争が続くようです。